ツタンカーメンといえばとても有名ですよね!今回はツタンカーメンの墓から鉄製のナイフが出土したとの発見があったので、そのことについて解説いたします。
出典:The meteoritic origin of Tutankhamun’s iron dagger blade
人類は鉄を扱うのに製鉄(鉄鉱石を高温に熱)して鉄を作りだします。しかし、ツタンカーメンの時代(紀元前14世紀)にはそのような技術はなかったとされています。
では、彼らの時代にどのようにして鉄のナイフを作る技術が存在していたのでしょう!?
ツタンカーメンの鉄のナイフの原料は隕鉄!!
宇宙人ではありません!今回出土したナイフは10%のニッケルと0.6%のコバルトが含まれていました。これが意味しているのは隕鉄からの製造だったということです。
そもそも隕鉄とは一言で説明すると、鉄の成分を含む隕石のことを指します。
紀元前2000年程前から鉄の存在は人類は気づいていたが、それを高い技術で加工する知識はなかったとされてきました。加工出来るようになったのは紀元前800年程前と考えられていたのです。
つまり、今回のナイフの出土は当時それほど技術の高くないと思われていた精錬技術が紀元前1400年のエジプトで既に確立していたことを示します。
ナイフを作るには精度の高い技術が必要ですので、遥か昔から人類は隕鉄を加工する高度な技術を持っていたことになります。
古代人は「鉄は天の贈り物」と考えた
先ほど、鉄は隕石から取り出すものだとお話させて頂きました。
昔の人は地球上には鉄とは普段存在していない非常に貴重な存在で、空から降って来たものに含まれる高貴な物質と考えていたようです。
実際に金よりも重要な物質として扱われていた記録も残っています。現代人の感覚から考えるとちょっと考えにくい話ではありますが、天からしか手に入れることが出来ないと本気で思っていたら、そう思う気持ちも十分理解出来ますよね!
実際にエジプトには一部加工された隕鉄が放置された状態になっているものが存在している。つまり、これは少なくとも隕石から古代人が加工していたことに間違いがないと考えられるであろう。
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