14億円の工業製品。何の価格かといえば1台のクルマだ。希少性の高いクラシックカーに付いた値段ではない。新車の話である。
5月27日、イタリア北部コモ湖に面する豪華ホテル、ヴィラ・デステの庭園には世界中から選ばれた、熱狂的なクルマ好きの富裕層が集まった。1929年に始まった世界最古の歴史を持つ自動車のコンクールイベントである。世界各国から厳選されたクラシックカー51台が庭園の中に並び、その希少さや、ヒストリー、そしてクルマの状態などが審査され、各種の賞典が与えられる。
このイベントは1999年以来、BMWのクラシック部門である、BMWグループクラシックがスポンサーとなって開催されている。BMWはコンクールの運営に関しては黒子の立場を貫いているが、グループ内各社のプロモーションは当然として行われる。
今年はBMW8シリーズのニューモデルとして市販化が近いとされる「コンセプト8」 が当イベントで発表された。かつての新車発表の場といえばモーターショーであったが、いまや、特にラグジュアリーカーに関していえば、有望な顧客が目の前に居るイベントで発表されるケースが増えている。
さらにサプライズがあった。ラグジュアリーカーの頂点とも言うべきロールス・ロイスのニューモデル「スウェプテイル」がこの場でデビューしたのだ。実はロールス・ロイスは今、BMWグループに属している。ちなみに混乱しそうだが、もう一方の超高級車の雄ともいえるベントレーはVWグループに属する。
「このクルマは私たちの特別な顧客の為に作りました」。ロールス・ロイス・モーター・カーズCEOのトルステン・ミュラー・エトヴェシュが述べるように、このクルマは普通のロールス・ロイスではない。顧客の注文に応じて限定の1台がつくられるワンオフカーなのだ。「コーチビルド・モデル」とも呼ばれる。
発注したオーナーがヨットマニアであったことから、各所にヨットを思わせるモチーフが見られる2座のクーペであり、ロールス・ロイスのフラッグシップモデルの「ファントム・クーペ」をベースに手作りで完成させる。
■多くのコーチビルド・モデルを作ってきた
かつて馬車の客室部=コーチは、顧客の注文に応じて作られた。ロールス・ロイスは、その伝統を受け継ぎ多くのコーチビルド・モデルを作ってきた。その伝統をこのスウェプテイルは受け継いでいる。プランの始まりから完成まで4年間を要したというこのモデルの価格が14億円と言われている。自動車の基準を超える驚くべき価格であり、まさに世界最高価格の乗用車であることは間違いない。
スウェプテイルのこれは、ロールス・ロイスがワンオフカービジネスに再参入を表明したことを意味する。かつては多くのワンオフ・モデルやカロッツェリアとのコラボレーション(イタリアのコーチビルド・メーカー)などから個性的なモデルを生み出したロールス・ロイスも近年は表向き、こういったワンオフ・モデルは製作せず、内外装を顧客の趣味でカスタマイズする「ビスポーク」スタイルの提案を行っていた。
かつての自動車はフレームとボディが独立した構造だったが、自動車の進化によってそれらが一体化したモノコックボディ構造(完全ではないにせよ)になったため、単純にボディだけを加工するのは難しくなった。1台のみクルマを公道で走らせる為の型式認証には、衝突安全性の担保や環境対応に莫大なコストが掛かる。そして何より少量生産を行うコストが増大し、そこそこ高価な金額で販売しても割に合わなくなってしまった。
先だって日本市場限定10台の完売が発表されたフェラーリ「J50」の価格は4億円に届く程であったし、フェラーリ「458MMスペチアーレ」と称すワンオフ・モデルは軽く6億円は超えていると言われる。これをスウェプテイルの14億円と比較すると、こんな高額モデルでも安いと思ってしまうところが怖い。
ただ、ほんの少し前までそんな高価なクルマが売られるなどとは考えられなかった。2002年に鳴り物入りでデビューしたフェラーリ・エンツォはいくらだったかというと、1億円にも達しない7000万円台だった。
■高価なクルマが登場する理由
近年このような高価なクルマがどんどん登場するのはなぜだろうか。クルマの構造的な面から言えば、1つには少量生産のクルマが作りやすい技術革新が挙げられる。カーボンファイバーやアルミ製スペースフレームなどの新しい技術によって、大規模なプレスマシンを使わない小ロット生産が可能となったし、再びボディとシャーシが分離でき、ボディをモディファイしやすい構造のクルマも生まれた。
このスウェプテイルもファントム・クーペがスペースフレーム構造であるから、それをベースにして自由なデザインのボディ懸架が可能になったといえる。さらにCADデータの活用や、切削マシーンの高性能化、3Dプリンターの実用化などにより1個のパーツからでも製作が可能になったことも挙げられる。
顧客の心理面から言えば、2012年あたりから大きな盛り上がりを見せているクラシックカーブームの影響も大きいであろう。2014年にフェラーリ250GTOの記録した56億円余りというオークションの落札金額はいまだ破られないが、この数字が自動車の価値に対する感覚を変えたことは間違いない。
クルマの価値というものは年月と共に償却していくものではなく、逆に価値が上がる可能性を秘めたもの、不確定要素によって紙切れになる可能性をも持った株式投資よりも安全で、かつ絵画やアンティーク家具よりも価値の上昇が期待できるという見立てが行われ始めた。生産量が極めて少ない高価なクルマには将来、高い付加価値が付く可能性があると考えられ、投資案件の1つとも捉えられることになった。
■ブランディング確立の三要素とは
私自身が考えるこれはブランディング確立の三要素、つまり、“独自性=希少性”、”持続性=企業としての歴史”、“伝説(ストーリー)=モデル誕生の神話や著名オーナーによる過去の所有”という要素を満たしている。もちろん、そういった自動車のレベルを超えた高額を支払うことのできる顧客を生み出す現在の経済状況があってのことではあるが。
ロールス・ロイスの業績も上々だ。2016年の全世界の販売台数は4011台と、創業113年で2番目の記録を達成し、顧客からのニーズに合わせてカスタマイズを行うビスポーク部門は過去最高を記録したという。今回のスウェプテイルの投入を武器にこのカテゴリーの売り上げも大きく拡大するのであろう。
ロールス・ロイスは「フェラーリの限定車が発表前に完売した理由」(2016年7月23日配信)で紹介したようなフェラーリが行って来た、フューオフ(数台限定)カー、及びワンオフカービジネスの動向をよく研究しながら、的確なタイミングで今回のコーチビルド・モデルを世に出して来たワケだ。ワンオフカーの王者たるロールス・ロイスの真価が試されている。
出典;https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170702-00178327-toyo-bus_all&p=3
ロールス・ロイスの14億円の車に対する意見
11時間前
好き嫌いは別として、ロールスロイスは、高級車と言うスタンスは続けて欲しい
7時間前
工業製品って、たくさん生産することで、不具合や修理メンテナンスの知識が蓄積されていく側面もあるはず。バンパーぶつけた。どうやって修理するのだろう。金持ちは板金修理ではなく、メーカー工場に車ごと送って、全交換かな。
9時間前
中東の金持ち向けの価格設定だろ
1時間前
この14億円のクルマがカタログモデルなら驚くけど、
オーダーメイドなら不思議な金額ではない。
特別な1台なわけだから。
7時間前
資産、数千億円の人には大したことない。
資産、数百万円の人が数万円のアクセサリー感覚で購入する。
同じ感覚です。
1時間前
14億か。
ちょっと足りないから今回は見送る。
1時間前
14億円ならば空飛ぶ機能くらい付いてないと
12時間前
ワンオフは真の高級車。
1時間前
一台売って利益はどれ位かな?
44分前
セミオーダーだろうから、いくらでも高価にできるんでしょうね。
所詮庶民には無関係な世界だけど、その庶民も任意保険は対物も無制限にしないと、万が一の場合に人生が終わるかも。
1時間前
話が長過ぎ、途中でフェイドアウト。
書き方も古臭い。
55分前
正直いらん。そんな金額あったら、他に使うよ
38分前
率直な感想。デザインがダサい
5時間前
ヨーロッパ人は価値判断が日本と違う。ヨーロッパ国内には安くてダメなものか高価で良質な物がおおく日本のように安くてそれなりに使えるものがないのだと思う。
38分前
車の開発費って数千億1兆の世界だから、部品は汎用品に毛が生えたもので、デザインと内装だけ特別なんだろうけど、この価格帯で新しい市場が出来たら面白いね。
高級車と言っても市場規模600万台超えて、イマイチ特別感がないし、さらに上の市場が出来て、産業が活性化してもいい頃あいだとおもう。
41分前
Amazonprimedayで買おうかな。。。
58分前
こんな車を買えるようになってみたいと思うけど、この車を買えるお金があったら・・・まあ別のことに使うかな。
44分前
絶対に笑ってはいけない科学博士24時の
ビートたけしロボ(10億円)よりも高いのですね。
49分前
お金を使うのはいいことだが さて 車1台に14億?
実際の価値と金額のギャップが大きいように思えますが 金持ちには関係ないのかなあ。
ステータスを手に入れるための金額 としては異常に思えるし この車を購入する人も異常に思う。
1時間前
特注でトヨタに作ってもらってもそのくらいは請求されちゃうのでは。
数売ったり、共通部品やらだから値段もさがってゆく。
初代プリウスも売れば売るほど赤字とかいってたが
7時間前
パルテノン神殿がでかすぎて、フライングレディが小さく見える
1時間前
使わないともったいないと思うのは貧乏人の発想なんだろうか。
金持ちの道楽はわからない…。
1時間前
こんな車の後部座席にのって、白手袋つけたショーファー運転手つけて、豪邸のゲートが自動でぐわあって開いて、馬車のように邸宅の玄関について、玄関入ったら、執事やメイドがずらっと整列してて
大階段があって壁に先祖の写真が代々かざってあって、、、
もう遠い世界の話だな。
本日のウォール街での株価がとか、ディナーはどこどこレストランでございますとか、週末は郊外のどこどこの別荘で、バカンスはコートダジュールでございますの世界だね
1時間前
フロントデザインは従来のRRだが、この車の凄いところってリアの造形だと思う。
あの絞り込みは他に類を見ないし、車という工業的デザインに制約のある中で、芸術的な造形を表現してると思います。
1時間前
昔のロールスは存在感あったけどこれは
道路を走行していても気づかないフォルム。
14億払える方はどうぞ。
1時間前
昔砂漠のレースでロールスが故障。メーカーに連絡したらヘリで修理対応したと聞いた。だから軽度の板金、修理なら自宅にくるんじゃないか?
16分前
すごいなぁ。
14億円あったら毎日おっパブ行けるなぁ。
1時間前
文化、価値観の隔たりは大きいので、
アンフェアな評価は時として雄弁家の弁舌のような力を持ち、欺瞞を舐め回し、人の欲望を虜にすることでしょう。しかし、同じ土壌に立った上で人と人、モノとモノ、心と心をフェアに評価出来るのならば、もしもそういった状況を生み出せたならば、その真価は紙幣や硬貨等で測られるものではない真のプライスレスとなり、時代を先駆ける、また永遠に走り続ける駆動車のピュアレジェンドとなることでしょう。
4時間前
この車も石油王が買えば、子供が、庭先で乗りますおもちゃ状態になるんだよな。しかも、その辺の道路にポイ捨てだし。
54分前
開発費やコストを考えると、いかにミラとかがある意味で優れているかわかる。
要するに企業が優れているし、分野は変わるが高級食材を使った高級料理屋よりもよっぽどポテチは優れている
30分前
昔のロールスは美しいと思ったが、今のロールスは美しいとは思わない。
正直、がっかりだ
1時間前
私には全く縁が無い話なので話題として”ホー”と感心するばかりです。こういった車を所有するような人は数十億円するクルーザーや自家用ジェットの世界を知っている人でしょうから14億円はそれほどでも無いのでは。夢の話として・・。現実的には(想像ですが)軽自動車に使われているプレス型全部合わせれば10億円は下らないと思うのですが
1時間前
ワンオフ車って、そのメーカーのファンでも分からないくらい知名度が低いと思う。公道で見掛けても、車種の名前も分からないし、価格も分からない。見栄を張れるんだかどうか微妙だと思う。
エンツォとかF50なら、ファンなら誰でも分かる。
4時間前
子供の頃、世界の車みたいな本を毎日のように見ていたけど、その中にあったロールスロイスは子供心に美しい車だなって思っていました。
現行も良いと思いますが、あの頃のモデルの美しいボディラインは今でも好きです。
48分前
買おうかなぁ。ロト7一等10回当たったら。
1時間前
車好きだが。。。全く興味が湧かない稀有な車種w
1時間前
乗りたい、買いたい車っていうよりも乗せて欲しい車やね、気持ちええやろなぁ
1時間前
好きなら買えばいいが取って付けた様なフロント。
普通のゴーストの方がいいな。
個人的にはベントレーのアルナージが好き。
1時間前
航空機かと思ったら車の値段だったとは…。
1時間前
1兆5000億円の家が売られる時代だしなぁ
人気のコメント